ちょっと得する紙の知識 : 第27回【合成紙 オーパー】

「ちょっと得する紙の知識」のコーナー。第27回目は「合成紙 オーパー」についてです。

ユポの欠点を克服した合成紙オーパー

前回、このコーナーで合成紙ユポについて、ご説明しました。ユポは100%合成樹脂で出来た「紙のようなもの」で、合成紙特有の欠点もある、ということは前回説明した通りです。このユポの欠点を克服した合成紙が今回ご説明する「オーパー」です。

オーパー写真1.JPG

オーパーの特徴

「オーパー」は日本製紙パピリアが開発した合成紙の商品名です。ユポが100%ポリプロピレン(合成樹脂)で出来ているのに対し、オーパーは、表面がポリオレフィン(合成樹脂)、中身に紙ベース層があります。要するに紙ベース層をポリオレフィンでサンドしている格好になります。より「紙」に近い風合いを追求した合成紙ではないかと思います。
オーパーは、ユポでは成し得なかった様々な特性があります。水に強く破れにくい、という特性はユポと同じですが、それ以外に、一般インキで印刷が出来るという特性もあります。ユポはユポ専用インキでなければ印刷が出来ず、そのインキは独特な臭いがあるため敬遠する人もいます。そういった人は一般インキで刷れるオーパーを好む傾向があります。
その他の特性としては、折り、穴あけ、ミシン目、型抜き、箔押しなど加工適性があるということです。特にユポでは苦手だった、鋲でとめることが可能なものもオーパーの中にはあります。焼却処分も有毒ガスが発生せず、一般の可燃ごみとして焼却出来ます。

オーパー写真2.JPG

オーパーの用途

このような特性があるため、用途は多岐にわたります。パンフレット、メニュー、POP、ゴルフスコアカード、スキーリフト券、リストバンド、ラベル、包装紙、ショッピングバッグ、屋外ポスター、地図などです。

次回のこのコーナーも、ユポ、オーパー以外の合成紙について説明します。「合成紙」というよりメーカーは「不織布」と説明しておりますが…。そのあたりの区分けは曖昧なものがあるのです。いずれにしても、水に強く破れにくい「紙のようなもの」です。ご期待下さいませ。

オーパー写真3.JPG