ちょっと得する紙の知識:第30回【不織布】

「ちょっと得する紙の知識」のコーナー。第30回目は「不織布」についてです。
前回、前々回は「不織布 タイベック=アドベック」について説明しました。今回は、タイベック以外の一般的な不織布について、もう少し掘り下げて説明します。

不織布とは、読んで字のごとく織らない布のことです(ちなみに英語でも「non-woven fabric」なので直訳すると「織らない布」です)。要するに、通常の布は繊維を紡いで糸を作り、織ったり編んだりして作るものです。しかし不織布は、織ったり編んだりしないで、化学的に繊維を結合させてシート状にしたものです。昔、「フェルト」と呼んでいたものがありましたが、あれも不織布の一種です。
主原料はポリエステル、レーヨン、ナイロンなどですが、木材パルプのものもあります。カテゴリーとして布に分類されるのか、紙に分類されるのか、曖昧なところではあります。不織布メーカーも王子キノクロス、三菱製紙、ユニチャーム国光ノンウーヴン、倉敷繊維加工など製紙メーカーから繊維メーカーまで様々です。
不織布の特性としては吸収性、濾過性、通気性、緩衝性などが挙げられます。
これらのことから、用途はクッキングペーパー(油こし、出汁こし)、テーブルクロス、ハンバーガーの包装(保湿性、断熱性)、肉、魚などの食品トレーの中敷き(余分な水分、脂分を取る)、マスク、湿布薬シート、建築資材、自動車部品、各種フィルターなど幅広く使われています。

不織布と一口に言っても、用途によって質感、厚さなど、かなり異なってきますので、不織布を選ぶ際は、まずは用途を確かめることをお勧めします。ご不明な点がございましたら、弊社スタッフまでお気軽に御相談下さいませ。

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